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(僕独4) 死ぬかもしれない〜Everybody for himself and God for us all.〜

パリで会おう

ホテルのブレーカーが落ちたあたりで僕には一人旅が無理であることを悟った。

そこで同じくヨーロッパを1週間前から放浪してる先輩を思い出し、その人と合流することにした。

連絡手段はSkypeとメールしかないのでリアルタイムの連絡ができないのがもどかしかったがオランダ観光している間に返事があった。

 

「フランスに来い。パリで会うぞ」

 

予定ではフランスに入るのはもっと遅かったが先輩が仰るなら仕方ない。

パリのホテルを予約し3日目の朝、フランスへ旅立った。

この時点で計画性は全くなくなった。決まっているのは3/16に帰国することだけだ。

しかしパリで会うとはオシャレである。

 

アムステルダム駅で*ユーレイルパスを提示し割引を受け新幹線のチケットを受け取る。

*ユーレイルパスとは?

ユーレイルパスは、ヨーロッパの28カ国の国鉄(またはそれに相当する鉄道)に乗り放題となる鉄道パスです。訪問国、滞在日数、周遊型、滞在型など、旅程に合わせて、さまざまなタイプが選べます。

いつでも、どこからでも列車に乗って、自由気ままに鉄道の旅が楽しめます。有効期間内であれば、何度でも、距離に関係なく、列車に乗ることができます。どれだけ乗っても鉄道パスの料金は同じです。

ユーレイルパス | ヨーロッパ鉄道旅行ガイド(レイルヨーロッパ【公式】)

 

一泊一万円と高いホテルで当然といえば当然だが、朝食もうまいしブレーカー対応もしてくれて愛想もよかったのでなんとか感謝の意を伝えたいと思って、「また来ます、ありがとう」と言った。

でも絶対もう来ない、ホテルではなくトラウマの始まりであるこの国に。

 

フランスに行こう

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新幹線に乗り込む。ヨーロッパの鉄道のいいところは国を超えることが全く面倒でないことだ。税関のようなものもないわけではないがほとんどスムーズに進める。

また窓口も国跨ぎの移動の扱いに慣れているので、自分達の鉄道会社でなくとも経路もすべて教えてくれた。

 

列車旅が始まる。

この新幹線、長距離列車なので車両と車両の間に荷物を置く棚がある。

持っているのは60ℓのバックパックなので、席に置くのは無理なのだが生憎ワイヤーロックなどは持っていないので困ってしまった。盗まれる可能性がある。結局置いたが。

ちなみに結果だけ言うと盗まれなかった。

 

よくよく考えるとキャスター付きのスーツケースじゃあるまいし、金が入ってなさそうな60ℓ(約30Kgほど)なぞ誰も好き好んで背負って盗みたくはない。

肩が壊れるレベルである。実際この旅の後、ひどい肩こりに悩まされた。その中に入ってるのが何故か少年ジャンプとかなので笑える。

 

盗難を心配しておきながら結局疲れて寝てしまったが、起きるとベルギー アントウェルペン中央駅。

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つまりはベルギー、ここで乗り換えをする。立派な駅だった。昔オリンピックをここでやったかららしい。

 

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ちょっとテンションがあがってきたのでベルギーワッフルを食べた。ベルギーワッフルはベルギーではただのワッフルなのか、ベルギーがついているのかわからなかったがとにかく美味かった。久しぶりに温かいものを食べた気がする。

 

そして、ここからParis Norde、日本語でパリ北駅へ。パリ駅というのはないらしい。

電車は大量の落書きがされていた。駅が立派な分、ローカルさを多少感じた。国を超える電車なのに。そういえばここでは検問がないようだった。

 

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両向かいの席に座り、デイパックを必死に抱えて寝た。

 

 

ハプニング

予定では16時にパリ北駅だったが、15時頃ある駅で止まった。

目を覚まして窓を見るとなんという駅かわからないが外は吹雪いている。

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ふぶいてる。雪、雪、雪。(びっくりした)

 

でもまぁこの地方この季節はどうせこんなのが当たり前なんでしょーともう一眠りしようと目をつぶる。この肝っ玉の太さは今思い出しても凄い。

 

しばらくして車両に車掌さんが来て説明を始める。フランス語わからない。乗客があれこれ聞く。あれこれ聞くがフランス語めっちゃ喋る。わからない。

みんなマジかよみたいな顔して駅へ降りて行った。….え。降りてった?

取り残されるとまずい!と思った僕は一緒に降りた。降りたが車掌の指示がわからないのでどうしていいかわからない。

 

たしか同じ車両にこんな奴らいた!という女子中学生っぽい白人旅行集団についていくと、反対ホームへいった。(女子中学生に目がいったというより降りた白人たちがどれも同じような顔で判別がつかなかったから)

どうやらここで別の車両を待つようだ。

 

5分待つ。車掌さんがホームに戻ってきて何か言う。また乗客達が動き出す。また元のホームへ戻る。何がしたいのかわからない。

すると今度は結局駅舎の中へ入っていった。ここで暖をとって待つようだ。

絶対的に16時には着けない。が、先輩への連絡手段がない。焦る。焦らないときなんてこの旅の中でないけどやっぱり焦る。

 

ようやく臨時列車みたいのに乗る。ここから一時間くらいでパリ北駅へつくはず、、、と思いきや、すぐ別の駅で止まった。

 

TGVに乗ろう

そこはリール。フランスの東のはずれの街だった。パリまでまだ遠い。

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他の客にならい窓口に並ぶ。16時40分の新幹線乗りなさいよ、と切符を交換してもらう。電光掲示板を見る。うんうん、もらった列車ある。時間も書いてある。

 

だが、駅のホームの番号が書いていない。他の列車はちゃんと書いてある。

 

またモスクワと同じ件と右往左往してオロオロする。

おいおいロシア空港ネタ再来なんて要らないんだよ!と思って右往左往。

しばらく待ってもわからない。

 

フランス人の警備員(駅員?とにかく制服来てる奴)のおっちゃんがいたので、おいおいわかんねーんだ!どうすりゃいーんだと身振り手振りで伝える。

 

「Je vais bien.Attendez.」

 

フランス語。。死ね!!

 

とりあえず待ってろと手で制された。いや、待つっていうか電車行っちゃうんだって!!

そしたら今度は黒人がそいつに聞いてきた。聞いてあげる警備員。イライラする僕。

そんな奴に関わってないでワタシを見て!さすがフランスである。心もどことなくドラマチックになってるようだ。

落ち着け、落ち着けと何度も手で制される。そんだけ焦って見えたんだろう。事実焦ってるよ。だってあと10分程度で出発の16時40分だから。

 

17時になりアナウンス。何言ってるかわからないが警備員が「ほら、行け!」と列車を指差してくれた。電光掲示板にもホームの番号が書かれている。どうやら列車の準備が遅れていたよう。

日本でも同様のことはいくらでも想像できるのにこの時は本当に何が起こっているかわかってなかった。

要はベルギー・フランス辺りで滅多ない豪雪で列車に遅れが生じているのだ。

 

先輩と連絡がついていないので先輩がパリでずっと待っていることを思うと心が痛かったが18時に着くようだったのでフリーWIFIもなく着いたあと連絡するしかなかった。

 

これで18時頃にはパリ北駅へ着くだろう。

寝よう。

 

バスで戻ろう

起きる。電車は動いてない。もっと言うとリール駅から一歩も動いてない。17時30分。おかしい。外は吹雪いているとはいえ、小雨レベル。不思議。不思議と片付けて、もう一回寝る。

 

起きる。電車動いてる。人が走るよりも遅く超のろのろと。

江の電の方がまだ早い。ちなみに電車電車言ってるが、これTGVだからー?世界最速の新幹線が、、、江の電に負けてる。

 

どうなってるのか周りに聞きたいけど横にいる黒人はちょと怖い。怖いとか言ってられないけど怖い。

どっか立って行ってしまった。おいてかないで!

戻って来る。お茶飲んでる。多分食堂車かなんか行ってきたんだろう。羨ましいがバッグ置いて動きたくないので残った水で我慢する。

極限の緊張。

 

することもないので、も一回寝る。

しばらくして起きた。動いたり止まったりしてる。時刻22時。。。22時!?

寝過ぎたわー,,,,ってどうなってんねん!とノリツッコミを心の中で入れつつまた車掌さんが来て説明し出す。

 

待たされた乗客達の質問大会。フランス語英語ドイツ語かもうよくわからない。少なくとも楽しげではない。

皆が車掌の説明を聞いた後、立ち上がる。また立ち上がった!しかも今いるのは駅ではない。さっきのケースと違う。みんなぞろぞろと荷物をかかえて列車から出て行き始めた。

 

おろおろするだけの自分。勇気よ、勇気を振り絞るのよワタシ!!ああ、でも聞けない。何故なら異国の人が怖いから。なぜ自分が今海外旅行をしているのか不思議だった。

 

さすがに命の危険を感じたので1人残ってゆっくり準備してる若いお兄さんをつかまえ、車掌が何言ってたのか教えてくれと懇願。

 

「~~~~~(聞き取れない)~~go bus」

 

外を指差しながら言う。

 

「はぁ??バス!?」

 

「Yes」

 

お礼を言って外に出て皆についていきしばらく歩くと、二階建てバスが何台も待機していた。どこに向かうのかわからないが不安になりながら二階席へ。

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不安でも二階で楽しむ心を忘れない自分、さすがである。二階席は好きだ。

人がたくさん乗り込み、いざ出発。と思いきや、テレビカメラマンとレポーターが乗ってきた。

ニュースになるような事態だったのかとようやく事の重さがわかった。

 

「へいへいへ~い♩」と超ゴキゲンでやってきて僕の向かい側の席へ座った。

 

「いやーみんな超大変だねぇ、感想聞かしてくださいよ(フランス語)」

 

言葉がわからなくてもなんとなくわかってしまうノリってすごいと思った。

周りが何人かインタビューを受け始めた。

なんて不謹慎な奴らだ!雪で立ち往生してるのに!と思いながら、自分も電子辞書を取り出して「一人旅してるけど?」って英語でなんて言うのか調べた。

数人分インタビューを聞くと僕には聞かずにそのままテレビクルーは行ってしまった。インタビューの準備したのに!

 

宿を探そう

バスの行き先はリール駅だった。戻ってきちゃった!夜23時、雪空の下放り出された。

皆がバスから降りた所に駅員が来てメガホンで何やら叫ぶ。

 

「~~~~~。解散!!(*やっぱりフランス語)」

 

ホームレス中学生,,,?

 

フランスの東の外れの街、リールに放り出された。寒すぎる。

インターネットが使えない、、、今どこかもわからない、こういうときどうしていいかわからない、ホテルの場所もわからない。

数十分途方にくれていたが、ようやく背中の糞重いリュックを思い出す。これにはジャンプだけでなく地球の歩き方数冊が入っていた。もちろんフランス編のも。

備えあれば憂い無し、とこれほどまで実感する時もない。

 

かじかんだ手で近くのホテルを確認して行ったが、若い品のいいお兄さんが手をすくめる。

解散宣言から20分ほど経っているので、他の難民客が埋めてしまったらしい。

しょぼーんとしながら、もう一度寒空の下に出ようとしたが、ハッと思い直し足が止まる。

 

『これはシャイとか言ってられないんじゃいか…?』

 

それ、もっと早く気づいて! 同時に心でツッコミ。

お兄さんに近くの他のホテルを教えろと厚かましく要求。危機的状況は人を変えるらしい。

 

「Cheap!! Cheap hotel!!」

 

お兄さんトラベラー向けのパンフの地図を出して、ホテルの場所にいくつか赤丸をつけて紳士的に教えてくれた。困った時は聞いたほうがいいのは当たり前だが、やっとこの辺りで聞くのにも抵抗なくなってきた。

念のため、お兄さんが教えてくれたホテルと地球の歩き方に書いてあるホテルを照合すると一軒あったのでそこにした。

 

そのホテルは微かな灯りがつくだけで閉まっていたのだが、厚かましく何度もノックすると主人が出てきて入れてくれた。

Check in OK? Off courseの流れですんなり入れた。ちょっと民宿っぽい古いホテルだったが綺麗にしてありwifiも使えた。

 

さっそく16時にパリ北駅で待ってたはずの先輩にskypeして謝る。散々文句を言われたが仕方ない。翌日改めてパリ北駅前マクドナルドで待ち合わせした。

 

人生色々なことがあるなぁと窓を見ながら眠りについた。

 

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(続く だろうか)