(僕独2) 目的地にすら着けないかもしれない〜Every man is his worst enemy.〜
いざ、卒業旅行へ出発
出発の日、3月3日ひな祭り。快晴だった。
はっきり言えるが出発前日は絶望に打ちひしがれていたとはいえ、出発時は楽しみの方が多かったと思う。
だってこれから一人で旅しちゃうんだよ?しかも数か国!カッコよくない?とかアホなことを考えてた。
今時の学生なら大学4年で一人旅とかどちらかと言えば遅いくらいである。
とはいえ、期待に目を輝かせてバックパックを背負っていたのに、旅立ちの足取りは非常に重かった。
何故かと言えばバックパックの中身が半端無く重かったからである。
持って行くものはよく考えよう
これが持ち物の一覧である。
持ち物一覧
- ウインドブレーカー
- 本(ものすごく重かった)
-地球の歩き方×4冊(スイス・ドイツ・オランダ・フランス)←アホ
-ハーバード白熱教室(原著版)←読めないくせに気取って持っていった
-少年ジャンプ ←?
- リュックサック(60リットル)
- 洗剤系
- 衣類4着ほど
- スキーグッズ(ゴーグル・ニット帽・手袋)
- お菓子(母が持たせた芋けんぴ、雛あられも持たされそうになったが断固として拒否した)
- 電子辞書
- ipod touch(第3世代)←唯一の頼りなネットデバイス
- android(au)←予備
とにかく書籍が重い。肩にぎっちり食い込んで痛い痛い。
しかも60リットルはものすごく荷物が入るので、海外旅行終わった時には肩こりが半端なくなっているなという予感。
なぜ60リットルにしたのか理解に苦しむ。
心配性の自分が持ったらそりゃ限界まで詰め込むに決まっていた。
飛行機に乗ろう
当日昼、心配しながらも空港まで見送ってくれた両親とともに遅めの朝食(ここでジャンプを買った)
不安でドキドキしながら飛行機に一人で乗り込む。
ちなみに乗ったのはロシア航空。ものっそい下手な日本語で、『ゴリヨー イタダキ アイリガトゥエゴゼマス』みたいな事を言われる。
ご利用いただきは割とちゃんと言えるんだなーとぼんやりした頭で考える。
ゴリヨー。
機内食は普通。
毎回アルミの弁当箱みたいのに主食が入っている。
その時はぶよぶよの天丼、別に味は悪くない。つか割と好き。
ロシア航空は運賃が安い代わりにお酒が有料、でも紙パックに入ったやっすいワインは無料。
到着してからが心配だったが一杯だけ飲んだ。不安でしかも寝不足な時に飲んだから気つけのつもりが逆にドキドキして気分が悪くなった。
モスクワでトランジットしよう
トランジットで一度ロシアのモスクワ空港に降りた。
なんだか心細くなり自宅に電話をかけた。
うん、こえー、ちょうこえーよ、それだけ言って切った。
これだけの会話で500円もかかった。安いものである。
モスクワ空港はとにかく広い。早めにゲートの近くに行くことにした。
トランジットはターミナルE。
モスクワ入港したのはターミナルC。次にDといって余裕余裕と思っていたら、ここからターミナルEですよーみたいな看板がない。焦る。
周りに日本人はいない。モスクワ着いた際はたくさんいたのにどこにもいない。見えるあの集団はぜったい中国人だろう。
チケットを見ると21:15発だからもうすぐだよなー、と20:30頃に掲示板見るがまったく表示されない。
10個くらい便が表示されてるのに、なんか便がない。
表示されない?!
21:15以後の次の飛行機はもう表示されてる。
遅延?ゲート変更?、ゲート変更だったら私死ぬ!ロシアで死ぬ!実写版ターミナルのトムハンクスになっちゃう!死ぬ!
焦りまくって何故かターミナルEからDへ。
人間焦るととにかく動きまわりたくなる。
なんでもいいから職員に聞かな、でもシャイなので話しかけられない、シャイとか言ってられないけど話しかけられない。なんてこと。
ようやく一人警備員をつかまえる。
「excuse me...」
「 Что случилось?」
何言ってるかわからない!片言の英語も通じない!
別の人にもう一度トライ。
「I'm looking for this gate(このゲート探してます)」
「Oh,This gate is there(ああ、むこうだよ)」
たった今までいたゲートを指さされる。
それはそうだ。
そうではなくて便がないことを言いたい。でもなんて言えばいいかわからない
「Thank you...」
お礼を言って終わってしまった。
がんばれ日本人、もっと頑張れ日本人。
というよりコミュ障もっとがんばれ、という心の声虚しくとりあえずEに戻る。
このときすでに21:00、あと15分、焦りは半端ない。
最後にもう一度だけトライ。
「excuse me...」
「 Что случилось?」
いやこの件はもうやったから!
もう10分もない。
諦め半分で女性職員二人(かなりの美人)を見つけて最後にトライした。英語は通じた。
すると電光掲示板をみながら、ああアレじゃない?と話しながらチケットにゲートの番号をかきこんでくれた。ゲートGだって。
なんでわかるのって思ったが確かに電光掲示板に目的の便は表示されていた
ずーーーっと出発時刻ではなく、ゲート開場時刻を見ていたことがわかった。
アホすぎた。今時中学生でも割と知ってる。
3時間ウロウロしていたのでもう疲れ果てた。
オランダに着いた
トランジットも無事に済み、オランダのスキポール空港に着いたのは夜の10時40分だった。
ポーランド旅行の時は昼間で栄えていたはずが、夜のせいかほとんどいない。
寂しい、帰りたい。肩痛い。
本当にそれだけを思っていた。
(続く)